カザン (Kazan)
大鍋」という意味である.
タタール語で溝を掘るという意味の「qazğan」から転じた可能性もある. また「qazan」とはもともと中華鍋のように大きく、より重くより頑丈な、ある種の大鍋を指す言葉だった. カザンの町はU字型の低地の底に位置するため、こうした地形との共通点から大鍋に由来する地名が付いたとも考えられている.
よりロマンチックな地名説話もある. タタールの王女であったスュユンビケ(Söyembikä)は、金でできた大皿(カザン)を洗っていたときに川に落とし、その地に現在のカザンが建っているという.
さらに、チュヴァシ人の伝説にはブルガール人の王子であるフサン(Khusan, Хусан, ハサンというムスリムの人名のチュヴァシ語読み)が登場しており、フサン王子の名にちなんでチュヴァシ人はカザンのことをフサン(Хусан)と呼ぶとされる.